縫製工場の服作りの舞台裏を公開③

縫製工場の服作りの舞台裏を公開③
今回はアパレルCADシステムのご紹介をします。実際にCADを導入した感想としては、あれば必ず生産効率が上がるということです。主に良かったポイントとして…
- 型紙の実物の入荷待ちがなくなる
- マーキング効率が上がる
- 自社が縫製しやすい縫い代の変更などが可能

型紙の実物の入荷待ち
型紙が入荷なければ実際の作業が何も進まないので、特に弊社のような地方の工場では、運送による一日、半日のタイムロスが出やすいです。この一日程度の遅れでも、生産スケジュールに大きく影響を及ぼすことがあります。CAD導入によってデータでやり取りが即時できるようになったのが大きいです。パターンが入荷してもパーツが足りなかった、なんてことにも対応がしやすくなりました。
マーキング効率のアップ
以前は生地幅に合わせた裁断用の用紙を用意して、その用紙になるべく生地の無駄を減らすように「ここに前身を置いて、ここに後身を、ヨイショヨイショ…、袖はこっちに置いた方がいいか…、やっぱりこっちに置いた方がいいか、…」という手作業をサイズごとに行ってました。
CADシステムを導入するとPC画面上で効率よく作業でき、さらにオートネスティングにより複雑な自動計算をして一瞬で無駄の少ない配置をしてくれます。これは、今流行りのAIが中で動いているんでしょうね。
自社で縫い代調整など
自社にあった綺麗な縫製をするために、こちらで縫い代の調整などが可能になりました。以前はサンプル返却の際に、部分的に縫い代の調整を依頼していたことがあるのですが、各工場ごとの縫い代調整となるとパタンナーさんに負担が大きくなりますし、修正されずにパターンが来ることもありました。
アパレルCADシステムの導入で、このあたりの対応も柔軟にできるようになったのが大きいです。
武田ソーイングでのアパレルCADシステムの導入は、決して早い方ではなかったですが、これによって作業者負担は減り、作業時間も大幅に減らすことができました。もはや以前の作業にはとても戻れないです。もう一度言いますが、アパレルCADはお金さえかければ絶対100%効率が上がるシステムです!
縫製工場などの現場も新しい技術は積極的に取り入れていかなければ、この世の中の流れにすぐに取り残されてしまうのではないかと思います。