縫製工場の服作り舞台裏公開②

縫製工場の服作り舞台裏公開②

今回の縫製工場の舞台裏は縮絨機をご紹介します。使用しているのは簡易縮絨機と言われているもので、生地屋さんで使用していたり海外の大規模工場などではもっと大型の機械が使われています。この簡易の縮絨機も持っている縫製工場はごく少数で、愛媛県内の同規模の工場では、もしかしたら武田ソーイングだけかもしれない貴重な設備です。

縮絨機の役割は熱や蒸気・振動をつかって生地のゆがみやシワを取ったり、伸縮性を均等にすること。生地を本来の整った状態にリラックスさせることを目的にしています。

裁断前に生地のストレスを取るのが縮絨

生地屋さんで生地を作ったときには、きれいに整えられています。では、なぜ縮絨をする必要があるのかというと、生地は作る段階や運びやすくするために反物として巻くときにどうしてもストレスがかかってしまいます。それを倉庫に長く置いた状態でストレスがかかり続けると、裁断後にゆっくりと元に戻るなどして、サイズが合わなくなったり歪みが出たりすることがあるのです。そして繊細な生地ほど影響が出やすいものです。

縮絨工程は余分な手間がかかってしまう工程ではあるのですが、せっかくの生地とパターンを最大限活かして品質の良い製品を作るために、裁断前に行う大事な工程を省かないことということを意識しています。